ポイントガード

みなさん、こんにちは。

以前ツイッターの方に、

「高校生になってPGになったのですが、いいPGの条件って何だと思いますか?」

という質問がありました。ツイッターだと文字数が足りないのでここで自分の考えを述べさせてもらいます。

自分はポイントガードを教える時、「選択肢」という言葉を多く使います。

例えば、「ポイントガードはコート上のコーチ」とか、「コーチの考えをコート上で忠実に表現出来る選手」とか、「コーチと以心伝心」ということがよく言われます。

結構若い選手に誤解されがちなので、「コーチがウィングにパスをしろと言ったからしたら取られたのに変えられた」とかこういう所。

ただ機械的にプレイするのではなく、ウィングにパスが出来ないなら他の「選択肢」、それもチームやコーチの哲学にあった選択肢を想像し、創造出来ること、そういうことも大切。

この辺は昔日立の佐藤稔浩選手について書いたところでも触れているので参考にしてみて下さい。

(彼はウィングにパスをしろと言われて相手に読まれていてもパスが出来た本当のポイントガード)

こういう「コーチの延長目線」だけでなく、ポイントガードに自分がよく言うのは、「ぎりぎりまで出来るだけ数多くの選択肢をキープしておくこと」です。

例えば、よく嫌われるジャンプパス。

空中に飛んでしまってからだと判断が出来ないし、パスもシュートも出来なければトラベリングになってしまうか、相手にパスをして終わってしまう。だからこれを禁止するコーチはアメリカにも多い。

でも良い選手ってドライブして飛ぶことによってブロックにこさせてアシストする選手もいる。だから全てのジャンプパスを安易に否定することも出来ないし、禁止しているコーチも成功したら何も言わないことが自分の知っている中ではほとんどです。

でも昔アメリカのあるコーチから、「良い選手は常に最低2〜3つのオプションを持っていて、2手、3手先までプレイが読めるものだ」、と教わったことがあります。だから自分はジャンプパスでも同じことを教えている。

ドライブをしたら、自分のシュートかポイントガードなら最低2つ、絶対にパスが出来る所があるのを確認してから飛ぶと良い。もし自分のマークを完全に振り切れてなくて、チームメイト4人にディフェンダーがマッチアップしているようだったら、ドリブルしてゴール下をくぐり抜けても良い。ボールがゴール近くにあるということはすごくディフェンスにとって嫌なことだし、以外にゴール下からのパスというのは視界の関係上守るのがすごく難しい。そこでプレイを急がず、むしろ”遊んでごらん”、と。。。

選択肢を多く持っていることでディフェンスには的を絞らせないことも出来るし、それでその状況状況にあった最善の選択を”決断”、”実行”出来るのが良いポイントガードだと。。。

だから得点能力はあるけど、それをとっておくことが出来るのも良いガードだと思います。例えば、シュートを打ちたいフォワードやシューティングガードがいるなら、ボールを触りたいタイミングで触らせておく。毎回自分で攻めない。ここぞ、という時に得点が必要な時で、自分に自信があるなら、こうして他の選手を引き立ててきたことが活きてくる。「パス」と思って絞られていたら、ヘルプは来にくいだろうし、「自分で攻める」というオプションを加えられたら、ディフェンスは迷いも出るし的が絞りにくくなりますよね?そして思い切って攻めて相手が思いっきりヘルプしてきたら、空いている選手に的確なパスを出す。。。

攻めたり、パスしたり、ドリブルでレーンを横切ったり、速く攻めたり、パスを遠くに飛ばしたり、ゆっくり攻めたり。。。

チーム自体に緩急つけたり、メリハリつけたり、いろーんなことが自由に出来るのが「ポイントガード」なのかな、って。

良いガードがいるチームってみていてわくわくしますもんね。

言葉にするのって難しいけれど、自分はこんな感じで考えています。